神様の領域

また医療裁判のニュースを見ました。

こんなこと言うと、冷徹とか言われるんだろうけど、
明らかにミスをしたとか、ひどいヤブ医者なのにのうのうと医者をやってる
殺人医者だ、とかじゃない限り、
訴えるとか、どうかと思うのです。

日本の国って医療がとても発達していて、
健康保険の制度も整ってるから、
みんな当たり前に、高度な医療技術を受けられて、
たいていは助かるって思ってるけど、
それってとても特殊な国なんだと思う。

私自身は生死に関わることって、神様の領域だと思ってて、
人間の思ったような結果じゃなくても、仕方ない部分が多いと思ってます。

だけど医者っていうのはそれに抗ってるわけで、
抗うって書き方すると、神様に反抗してるみたいだけど、
そうじゃなくて、
最後の最後は、やっぱり決定権は神様にあるのかな?っていう。

人事を尽くして天命を待つ…的な。

昨日、中一息子が小学校の時に卒業アルバムをもらって帰ってきました。
息子の文集には、将来の夢が書いてあって、
それは
「小児科医になりたい」
というもの。

産まれたときは、助からないかも…って言われた息子。
常位胎盤早期剥離のため、緊急帝王切開でした。

でも元気に産声を上げて、何事もなかったようにすくすくと育っています。

そんな息子が、風邪ひいて小児科にかかった時に、
お医者さんに言われた一言、
「よく頑張ったね、もう大丈夫だよ」
その言葉にビビッときたんだとか。
(私はそんなこと、全然覚えてないけどね)

そうやってお医者さんになってね、
一生懸命治療して、
手術したりして、
でもダメだった…

それはもう、神様の領域なんだと思う。

親の気持ちも痛いほどわかる。
誰かのせいにしないと、いられないのかもしれない。
でも、
それで一人の頑張った医者の医者生命を絶ってしまったとしたら…

私が次女を産んだ時、
三回緊急帝王切開だった中でも、一番危なかったんです。
私も娘も。

娘が助かったのは、奇跡…それと、小児科医の方々の懸命の助けがあったから。

でも、医者からは、後遺症が残る可能性がある…と言われました。

アプガールポイントというのがあります。
産まれたときの、生命反応的なものかな?
10ポイントが満点。

娘は生まれたとき、1ポイント。
心臓が動いていた。
それだけ。

5分後、4ポイント。

呼吸が出来るようになった。

肺に薬を入れて、肺を膨らませ、
どうにかこうにか息をした。

でも、その数分の間、脳に酸素が送られていないのです。
だから、ダメージを受けた部位の脳が司る機能が、失われた可能性があった。

赤ちゃんの頃は毎月、
そして3か月に一度、
半年に一度、
年に一度…

と、検診を受けていました。
5歳ちょい過ぎくらいまで。

何が出来るようになったか、
一つ一つ埋めていく。
膨大なチェック項目。

最後まで埋まった時、初めて先生に
「後遺症は出なかったようですね。よかったです」
と言われました。

長かったですよ。

産んですぐ、後遺症の話をされたときは、
「それなら私たち(夫婦)がこの子を守っていこう」
そう決めました。

なにも出なかったから、後遺症に苦しんでる人の気持ちはわからないかもしれない。
でも、想像することはできる。

あの日、私たち夫婦も、どん底に突き落とされた気持ちでした。

それでも、命が助かったんだから…
心からそう思った。

最初は誰でもそうかもしれない。
助かってよかったけど、
ずっとずっと介護、看護に明け暮れて、
疲れてしまうのだろうと思う。

でも、そこで、
あの日命を助けるために、尽力してくれたお医者さんたちを
訴える…っていうのは…

それは違うと思う。

医者の力量ではなく、
神様の領域なんだと。

だから、医者を訴えるとか、
医者の将来を奪わないでほしい。

その医者が今まで救ってきた命。
これから救えるであろう命。
その命の周りにいる家族の想い。

小さければ小さいほど、
弱ければ弱いほど、

助かる確率はとてもとても低いんだということ。

そして絶対はないのだということ。

長男(当時小2)が盲腸になったとき、
すぐに盲腸だとわからずに、
造影剤を使った検査をしたいと言われた。

でも、書類には起こり得る、恐ろしいリスクがずらり…

怖かったです、サインするの。

手術なんて言ったら、書類の枚数、すごいですよ。
意識があれば、自分でサインするんですよ。
ざっと説明してくれるけど、
サインするしかない。
リスクがあろうが、もうやるしかないんだから。

だから、
医者はリスクの話なんてしなかった、
手術すれば元気になるって言った

なんてのは嘘です。

リスクの話が出ないわけがない。
励ますために、そりゃ言うでしょう。
元気になりますよって。

で、そのために精一杯のことをしてくれたはずです。

なんかね、

そういうことに対する感謝、
忘れちゃうのかな?

毎日元気に生きているのは、
神様の計らいなんだってこと。

それを忘れたらいけないです。