小さな小さな手

産まれたばかりの頃、本当に小さくて儚くて、守ってあげなきゃって決意した。
いつも眠っていて、目を覚ますと泣いて、抱き上げると安心した顔をして、時々わかっているかのように微笑んだ。

この子のためなら、自分の命なんか惜しくない。
全身全霊でこの子に尽くそう。

少しずつ、でもグングンと大きくなっていき、
自分の力で歩けるようになり、ご飯を食べ、おしゃべりまで出来るようになった。
生意気なことも言うようになって、まったく、かわいくない!と思ってしまうこともしばしば。

学校に行くようになると、一番大好きだったはずのママの存在は後回しになり、
友達と楽しく遊ぶようになる。

思春期には反抗的な態度をとったり、一人で大きくなったみたいなことを言う。
もう少し大きくなると、今度は少し優しくなって、私のことを労わるようになってきた。

もう数年したら、愛する人を見つけ、
私がしてきたのと同じように、私から巣立っていくんだろう。

20数年の月日がかかっているけれど、私にとっては昨日のことのように思い出せるし、
なんだかあっという間の出来事で、夢を見ているみたい。

小さなエピソードがたくさんあって、それは全部私の宝物で、それらを全部つなぎ合わせると、それは私の人生の軌跡だ。

守ってあげなきゃと思っていたあなたは、もう誰かを守ってあげられるくらいに成長し、
今の私を守ってくれるのは、あなたと紡いできた、ひとつひとつのかけらたち。
これからは、あなたと作り出せた思い出に感謝し、
あなたが大きな一歩を踏み出していくのを、後ろから見守る。

あなたの隣にいるのは、もうママではなく一生を共にする大切な人。

私は離れたところから、あなたの幸せをずっと祈っています。
私のところに生まれてきてくれて、一緒に過ごせたこと、人生の一番の宝物です。

 

ありがとう。